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「使う人が自分で守る」が現場の当たり前にー現場が安心してDX推進できる環境を実現したヤンマーグループの挑戦

ヤンマー情報システムサービス株式会社 イノベーション戦略推進部 プラットフォームグループ 課長 岩崎 宏哉 様(右) 宮田 侑奈 様(左)
ヤンマー情報システムサービス株式会社
1986年にヤンマーの情報システム部門が分社化して設立された、グループ唯一のIT機能会社。農業機械・建設機械・エネルギーなど多岐にわたる事業を展開するヤンマーグループ全体のシステム設計・構築・運用管理を担い、グループのデジタル基盤を支える中核的な存在です。
<お話を伺った方>
イノベーション戦略推進部 プラットフォームグループ 課長 岩崎 宏哉 様
イノベーション戦略推進部 プラットフォームグループ 宮田 侑奈 様
役割について
グループ全社のIT基盤を担う、唯一のIT機能会社
岩崎様: ヤンマー情報システムサービス(以下、「YISS」)はグループの中で唯一のIT機能会社として、グループ全体のシステム運用・導入を担っています。私が責任者を務めるイノベーション戦略推進部プラットフォームグループは、グループ全社が使うクラウド環境の基盤を整備・提供するチームです。今年4月からは企画から導入支援を担う、いわゆるCCoEのポジションに特化するようになりました。会社組織として大切にしているのは、ITを単に導入するだけでなく、グループに対して付加価値を提供すること。その思想を元に活動しています。
関わるステークホルダーは本当にさまざまです。グループ各社の社内IT担当者もいれば、各社でクラウドやDXを推進したいという立場の方もいます。ITリテラシーもクラウドへの理解度も人によってかなり違う。そういった多様な方々と向き合いながら仕事をしています。
宮田様: 私はCloudbaseを含めたクラウドの運用・利活用推進の主担当として、リーダーシップを取りながら活動しています。利用者からの個別案件対応はもちろん、最近はイノベーション戦略推進部がCCoEの役割を担うようになったことで、クラウド活用のナレッジをグループ全体にどう横展開していくかを考える役割も担っています。
導入前の課題
「使う人が自分で守る」インフラ経験者だからこそ辿り着いた、セキュリティの理想形

岩崎様: もともとオンプレミスのサーバーが中心で、ハードウェアの運用コストが大きい状況でした。クラウドにすればインフラ運用の手間が減り、コストも使った分だけ、必要な時にすぐリソースが用意できます。インフラ経験がある私はその利点をよく理解していたので、2020年にYISSに入社してからクラウド化を積極的に推進してきました。
当然、クラウドにまだ馴染みのない人たちもいたので、説明しながら少しずつ広めていく啓蒙活動もしました。AWSは2018年頃から特定の業務で段階的に導入を進めており、それ以外のシステムはオンプレミス環境を中心に安定稼働を続けていました。そこからグループ全体の最適化に向けて、オンプレミス環境をクラウドへリフトしていく地道な実践を積み重ねてきました。
そして2022〜2023年に、グループ全体でインフラおよびセキュリティレベルを底上げするプロジェクトが始動しました。そのプロジェクトの中でグループ標準のクラウドサービスの立ち上げを私が行うようになりました。以降は、「クラウドを利用するならYISSへ」という形で徐々にグループ全体にクラウドの活用が加速度的に増えるようになりました。
私はもともと、インフラをサードパーティのツールで管理することの大変さをよく知っています。だからこそ、「インフラ担当部署が全てのインフラを管理する」のではなく、「現場の人が誰でも運用できる仕組みを作りたい」という思想を最初から持っていました。クラウドを自由に使っていいよ、というルールの下でサービスを始めた以上、セキュリティも同じように、自分たちが使うところは自分たちで管理できるようにならないといけない。その考えをずっと大切にしてきました。
加えて、当社はAWSとAzureのマルチクラウド環境です。各クラウドベンダーが提供するツールは自社クラウドに最適化されていることが多いため、AWSとAzureを横断して同じ視点・同じインターフェースで一元管理するには、ベンダーに依存しない専用ツールが必要と判断しました。
Cloudbase導入の決め手
現場が使えるUIと、導入後も伴走してくれる確信
岩崎様: 2023年度下期にクラウド環境が拡大してきたタイミングで、「じゃあセキュリティも本格的にやらないと」という形で検討が始まりました。比較したのは外資系製品です。
比較軸として重視したのは、直感的に操作できるUIとセキュリティリスクの視認性です。私個人としてはどちらでも対応できると思っていました。ただ、私が大切にしていたのは「実際に使う現場の人、セキュリティに詳しくない担当者が使えるかどうか」という観点です。その視点で評価すると、Cloudbaseは圧倒的に直感的でわかりやすかった。当時の候補だった外資系製品はUIが使いにくく、比較にならない印象でした。
もちろん、UIだけが決め手ではありません。最終的に一番大きかったのは、「導入後に一緒に広めていくイメージが描けたこと」です。1年半ほどかけてやり取りを重ねる中で、Cloudbaseさんのサポートと一緒になってグループ全体に広げていけるイメージが持てた。導入後のサポートや運用方法の提案もあり「しっかり対応してもらえる」という安心感が決め手になりました。
もし仮にCloudbaseと接点がなかったとしたら、「難しそう、コストもかかりそう」と導入のタイミングを見送っていたかもしれません。こうした検討を経て、2025年1月にCloudbaseを導入しました。
活用方法について
クラウドセキュリティを現場の当たり前に。勉強会と仕組みづくりで着実に広げる

宮田様:現在、 3〜4名の小チームで、利用者からの相談受付、勉強会の開催、プロジェクト管理などに対応しています。
正式な運用フローとしては、利用者が直接Cloudbaseのテクニカルサポートへ問い合わせる形を定めていますが、「問い合わせするほどではないけれど聞きたい」という軽微な相談や、ユーザー権限の設定判断など、社内で解決できるものは私たちのチームに来ます。気軽な相談窓口のような役割も担っています。複雑な設定ミスが出た場合は、課長も含めてどう対応するかを一緒に検討することもあります。
勉強会は4ヶ月に1回のスパンで実施しています。新しくクラウドに接続したシステムの運用者を集めるタイミングで開く形です。内容は利用方法の説明と、設定ミスを放置するとどうなるかというリスクの説明です。
岩崎様: もう一つ大切にしているのが、「仕組みでセキュリティを担保する」という考え方です。Cloudbaseを通じてセキュリティのベースラインを確認し、それに合わせてAWS側のデフォルトのセキュリティ設定を変えました。普通に使えば自然とベースラインに合った設定になる状態を作っています。人の意識に頼るのではなく、仕組みで解決する。これも、クラウドセキュリティを現場に広げていく上での重要な取り組みです。
導入後の成果
見えなかったリスクを可視化することで現場が動き出した
宮田様: 導入当初は、本当に使ってもらえているのかがわからない状況がしばらく続きました。でも勉強会を重ねて利用者が増えていくにつれて、私たちチームへの問い合わせメールが増えたり、Cloudbaseのコンソール上での設定ミスがどんどん減っているのを実感するようになりました。使ってもらえているんだな、と感じられるようになってきたのが一番大きな変化です。
ユーザー登録の面でも、以前はシステム管理者として代表者2名しか登録されていなかったところに、それ以外の方からも登録申請が来るようになりました。勉強会後に増加し、その後も減らずに定着しています。登録だけして使わなくなるケースが多い中で、きちんと定着しているのは手応えを感じています。
岩崎様: 導入前は見えていなかったクラウドの設定ミスが、可視化できるようになりました。セキュリティの設定をデフォルトで担保する仕組みを整えたことで、現場のチームが「このルールさえ守っていれば最低限は大丈夫」という安心感を持った上で、プロジェクトやDX推進を進められるようになってきたと感じています。意識しなくてもリスクを抑えられる環境を作れたことが、一つの大きな成果だと思っています。
今後の展望
スタート地点に立った今、現場への深化と拡大はまだ続く
岩崎様:「現場の人が誰でもセキュリティ運用できる」という当初思い描いていた理想に対して、7〜8割くらい達成できていると思います。導入当初に描いていたことはほぼ実現できて、「CCoEの役割としてのスタート地点に立てた」という感覚があります。 残りの課題は大きく2つです。一つは機能的な広がりで、現在はCSPMとしての設定ミス検出が中心ですが、CWPP領域にも踏み込んでいきたいと考えています。もう一つは接続範囲の拡大で、まだCloudbaseに接続していないクラウド環境をどんどん乗せていきたいです。
現場の人々がクラウドセキュリティを自分ごとにできるよう、私たちはそのやり方を伝える役割を担う。その考えはこれからも大切にしていきます。
クラウドやITに詳しくない人は、「セキュリティってなんとなく難しそう」という心理的ハードルを持ちやすい。Cloudbaseを使うことでそのハードルを下げられる、使いやすいし導入しやすいというイメージをこれからも大切にしてほしいと思います。
宮田様:クラウドの設定ミスなどのセキュリティリスクはなかなか気づきにくんですよね。まだセキュリティを身近に感じる機会が少なかった現場のユーザーの皆さんにも、いかに自然に使ってもらうか、そこが私たちの次の課題だと思っています。そのための啓発や推進のサポートは、私たちだけでは難しいところがあるので、これからも一緒に考えていただけると心強いです。









